【河北新報】<いぎなり仙台>「逸店」探すべ![2]武道具修繕に光る「技」/あしあと(青葉区)
2019年6月4日
JR仙台駅から北に約500メートルの住宅街の一角に立つ障害者就労支援施設「あしあと」は剣道の道具の修繕や、柔剣道の道着を使ったバッグやテディベアなどの制作、販売を手掛ける。
武道具は手縫いで直し、一つを修繕するのに3カ月かかることもある。バッグなど一部の品はミシンで縫ったりレーザーで加工したりして仕上げる。
知的障害者や精神障害者ら24人が働く。知的障害のある宮城野区の山科涼太さん(25)は「依頼主にとって、この道着がどれだけ大切か。修繕して役に立てればいい」と話す。
バッグなどはオーダーメードで受け付ける。運営する一般社団法人「祐紀会」代表理事の井上成晃さん(62)は「障害者の個々の特性を生かしたい」と語る。
井上さんは剣道歴約40年。近年わずかになった武道具を修繕する職人の技を守ろうと、8年前に施設の事業として始めた。
「丁寧な仕事と技術がうちの財産」。井上さんは胸を張る。障害者の作品という枠に収まらない確かな技が光る。(小田島悠介)
[あしあと]仙台市青葉区小田原5の1の16。受け付けは平日午前9時~午後5時半。武道具の修繕は1000円台から。バッグは主に1万~7万円台、テディベアは2万円台が中心。ホームページからも問い合わせできる。連絡先は祐紀会022(797)8142。
記事元はhttps://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201906/20190604_13042.html